ホーム
>
メッセージ一覧
>

先輩医師・スタッフからのメッセージ

医師の名前
きっかけ

皆様はじめまして。2009年に当院で初期研修医として勤務しました野中文陽と申します。現在は五島中央病院2階にある長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・離島へき地医療学講座(離島医療研究所)に、2018年から勤務しております。約10年ぶりに五島に舞い戻ることができ、五島で臨床、学生教育、研究を行っています。初期研修医として10年前に感じた、さらに12年目医師となった現在感じる、五島中央病院で研修を行う魅力、楽しさを語りたいと思います!

横線

初期研修先として五島中央病院を選んだ理由を教えてください?

私の出身は福岡で、長崎大学を卒業した後の進路について当初迷っていました。長崎に残るか、福岡に帰るか。臨床実習(ポリクリ、クリクラ)を経て自然と長崎に残ろうとなり、今では人気の長崎大学病院プログラムを選びました。1年目を長崎大学病院で、2年目を関連病院で研修することになりました。その際私は2年目に五島に行くことを希望しました。きっかけは同級生に「五島中央病院はたくさん勉強できるからいいよ」と言われたことですが、五島を選んだ理由として、①大学病院で経験できる病態が難しい疾患、重症度の高い疾患の患者さんを診療することも重要だが、大学病院と最も性質の異なる病院で多くのいわゆる”common disease”の患者さんと出会いたかった。②大学病院は同級生など多くの仲間と一緒に研修を行うので、どちらかというとレアなことが好きな私は、2年目には研修医の数が少ない(五島の研修医3-4名と少数精鋭)五島の地で頑張りたい。の2点を考えました。結果的に、この作戦は大変うまくいき、とても満足な1年だったと思います。五島中央病院を退職したあとに長崎大学第1内科へ入局し、佐世保市総合医療センターという600床程度の病院で初期研修医を指導する立場になりましたが、佐世保での勤務を勧誘しつつ、五島の宣伝もしていたくらいです(笑)。

診療科、職種を超えて
横線

五島中央病院で経験できたことを教えてください?

診療科、職種を超えてみんな助け合って患者の診療にあたる雰囲気をよく覚えています。
2009年、私は2年次研修医でありましたが、他に1年次研修医が3名おりました。計4名の初期研修医で1年を過ごしたことになります。大学病院のころよりも結束が強く、3人の先生たちとは今でも交流があります(それぞれ形成外科、循環器内科、小児科医師として現在も長崎県内で活躍しておられます)。勉強会にも可能であればみんなで参加し、救急室には重症患者は4人全員コールしてください、とお願いしていました。私のローテーションは内科と外科をそれぞれ6か月回るというプログラムでした。

【内科ローテーション中に経験したこと】

・概ね常時10名程度の入院診療を担当しました。経験疾患は極めて多様で、同じ日に各主治医の先生と悪性リンパ腫、イレウス、肺炎の人工呼吸器管理、脳梗塞、2型糖尿病、心筋梗塞などの入院患者さんを担当させてもらいました。複数の指導医に相談しながら、一般内科として経験したい疾患を幅広く経験することができました。カンファレンスも内科として週1回なので、多すぎず適切な時間でコンパクトに指導していただきました。
・上部消化管内視鏡検査を徹底的に教えていただきました。週3日内視鏡室に行き、予定検査、緊急内視鏡を経験させてもらいました。そのころの指導医の先生とは今でも五島時代の話で盛り上がります。

・その他は腹部US、気管支内視鏡検査実施日は積極的に検査に参加しました。放射線科Drに呼ばれて経皮経肝ドレナージをさせてもらったこともありました。自分でカスタマイズできる研修プログラムでした。
・当直は月5回(平日4回+休日1回)でした。救急で担当した患者さんが入院された場合、担当医として退院まで診療をさせてもらいました。大学病院の研修では入院から退院まで担当することはなかったと思います。

【外科ローテーション中に経験したこと】

・指導医からはもちろん、手術室や病棟の看護師からも知識、技術、精神力(笑)、さまざまな必要なスキルを時には厳しく、そして楽しく教えて頂きました。
・麻酔導入の気管内挿管がうまくいかず、人形相手に猛特訓をしたこと、とても良い思い出です。
・非常に満足したので、内科志望の私が外科を6か月ローテーションしました。
・概ね10名程度を担当していました。手術に救急、化学療法にと、とにかくバタバタでしたが、やりがいをもって研修することができました。
・勤務後はよく食事会が開催され、いつも深夜…(以下省略)
・手術は執刀までさせてもらうなど、かなり深いところまで指導いただきました。2010年3月29日、私が五島を出た日ですが、その日も午後のポート造設術をさせて頂き、16:30発の船にぎりぎり間に合ったこと、とても良い思い出です。

野中先生写真3
横線

休日はどのように過ごしていましたか?

2009年、知り合いが誰もいない状態で赴任し不安でしたが、研修医仲間や指導医に恵まれ、また他職種の方も仲良くしてくださり、飲み会にご飯会に思い出はつきません(笑)。五島市は皆さんが思っているよりは都会で食事をするところやカフェなどたくさんあります。また島外から友達を誘っては、五島半周ツアーをよくやっていました。大瀬崎灯台という五島の名所がありますが、灯台の下までのプチ登山を何回も行いました。あと、みんなで芋ほりにでかけたこともありました(笑)。

横線

初期研修全体を通して感じたことをお聞かせください

五島中央病院での研修ではバランスの良い臨床に触れることができました。そして、医師は診療科や専門をこえて、みんなで診療を行おうとする雰囲気、それぞれの専門職がそれぞれプライドを持ちながらも互いを信頼するチーム医療、とても勉強になりました。もう一回、五島中央に帰ってきたいと思えました。是非、医師として最も重要な初期研修の時期を離島で一緒に過ごしてみませんか。