当院放射線科の特徴を教えてください。
五島市唯一の総合病院の放射線科として、放射線画像診断のほぼすべてを担っています。日常の読影業務としては、CT, MRI, 単純X線,マンモグラフィーなどの画像診断を行っているほか、超音波検査、消化管造影検査なども多数行っています。また、カテーテルを用いた血管造影・治療や経皮的ドレナージ・経皮的生検などのIVR(インターベンショナルラジオロジー)も積極的に行っています。
ここに来る研修医のほとんどが放射線科を履修し、先生の指導を受けていますが、研修中はどんなことができますか?
放射線科医が用いるのと同じ読影・レポーティング端末を研修医や学生用に用意しており、放射線科医と同じ環境で画像診断のトレーニングを行えます。日々の症例の読影をするだけでなく、長年にわたり蓄積された豊富な症例をデータベース化しているため、典型的な画像を呈する疾患や稀な疾患などの画像も容易に検索・閲覧できます。研修期間の最初に腕試しとして読影試験を全員に受けてもらい、そのときの読影能力を研修医と指導医が把握すると共に、研修医本人の動機づけにも役立っています。研修の最後にはティーチングファイルの作成をしてもらい、自ら教育用のファイルを作成することにより、より深い知識の習得に役立つようにしています。ティーチングファイルとは別に、プレゼンテーションソフトを用いた独自の自己学習用教育用スライドも多数用意しています。読影以外では、超音波検査やほぼすべてのIVR症例を実際に研修医にも経験させ、個人のレベルに応じて手技を行わせています。また、地域医療振興会の事業であるヘリコプターでの医師搬送事業(NIMAS)の一環として、月1回の上五島病院での診療に同行してもらっています。
当院で初期研修を行うメリットは何だと思われますか?
医師数30名以上の総合病院でありながら、研修医の数は数名と限られています。一方で症例数は豊富であり、また本土の総合病院と比較して遜色ない診療レベルを維持しており、幅広い豊富な症例を研修医が直接経験できる場が多いことがメリットの一つです。また、五島は海や山などの自然にあふれています。自然に癒やされながら密度の濃い研修をできる幸せは、他所では経験できないものと思います。
研修医指導の際に心がけていることはありますか?
きめ細やかな指導を心がけています。また、一方的に教えるのではなく研修医が指導医に聞きやすい雰囲気作りにも心がけています。ただし、自ら解決していく力を養うために、最初からすべてを教えてしまわずに、なるべく多くを経験させたり、調べさせたり、あるいは考えたりさせて、自ら成長していくのを手助けすることも基本的な教育方針としています。そのために、超音波検査やIVRなどではその多くを直接経験させるようにしており、また調べごとをしやすいように教科書やインターネット環境なども整備しています。
研修医に何を求めますか?
医師としての真摯な姿勢、向上心、積極性です。
最後に、医学生にメッセージをお願いします。
ぜひ一度、五島中央病院を訪れてみてください。そして放射線科での実習を受けてみてください。短期間でも貴重な経験ができることをお約束します。